350£

覚え書き

Original Entertainment Paradise 2013 ROCK ON!!!! 両国楽日

両国楽日から数日後に耐えきれなくなって書いた記憶スケッチ。

DVD発売に合わせて公開します。

 

***

 

私神戸が始まる前、岩田さんの曲をそれぞれのパートで歌う、っていうのは一回につき一曲ずつ選んで3人が計四曲ずつ歌う、っていうことをイメージしていたんですね。が。今、改めて思うと、鈴村さんが「フルーツマン」森久保さんが「show must go on」小野さんが「君なしで」をひたすら、ひたすら歌い続けてきたこと、mcでなんどもなんども同じ言葉を繰り返してきたことが、こんなにも重い意味を持つようになるとは思いませんでした。
トップバッター鈴村さん。友人たちと多分「しっとり」で来るだろうと予想していたのですが、まさかそこまでガッツリ振り切れてくるとは思わなかったので、もう、鈴村さんが曲名を口にした瞬間涙腺が決壊しました。「ロスト」、そして「新しい音色」。「新しい音色」は昨年の「月とストーブ」の系譜、でも今年はオレンジではなく、蒼い海でした。サイリウムを振る手がとまった世界で、おもいきり、おもいきり岩田さんへの思いをストレートにぶつけた、あとの、「フルーツマン」。真っ赤な会場、間奏、飛び出してくる鈴村T姿の……岩田光央! もう、もうふたりが楽しそうで、楽しそうで楽しそうで泣いてしまった。卑怯だ、反則だ、って凄く思って見ていた。いまのあんたがちょうどいい、と歌いながら岩田さんを指差す鈴村さんの、こころから楽しそうな笑顔。
森久保さん。私森久保さんがこんなに、こんなにしっとりとした、世間一般の想像するロックとは多少違う立ち位置にあるような楽曲をがっつり、うたう、姿を初めて見たような気がして、思えばこの四公演で、常に新しいものをどかんどかんと発奮してくれていたのが森久保さんのようにも思います。「岩田さんがやめるって聴いた時、おれパラは終わるんだなって思った。……バンドのようなもんだと思ってたからさ」。「でもスズが」、思いをつないでいくべきだと言った。だから、おれたちはおれパラを終わらせない。これからも続けていく。「show must go on」、森久保さんと、また途中で森久保さんのTシャツを着て現れた岩田さんは、途中何度も何度も歌えなくなって、歌えなくなって、森久保さんが優しく笑いかけながら、握手をして、肩を組んで、抱き合って、そうして、お互いを尊重し合うような重みでもって、ステージの真ん中に寄り添うようにして、表現をしていたように思います。
小野さんはキスキスキスから、まさかのダンスメドレーでした。ち、チームD紹介がどんどん進化して行っていて、今日はちゃんと音楽つけてもらっていた。笑。「熱烈ANSWER」か、ら、の、まさかの「叱咤純愛1,chu,3!!」! すごかった……か、かわいくてかわいくて楽しくて楽しくて、ここでまさかこの曲を初披露してくれるとは思っていなくて。身振り手振りを会場がすぐさま吸収して踊っていくのが、たまらなく楽しかった。黄色いサイリウム。昨日、コートを着るくだりをやらなかったのは「うっかり忘れちゃって」たからで会場「えええええええ!!!!」 笑。人には瞬間記憶と短期記憶と長期記憶がある。このおれパラというイベント、今日この日を、皆の、長期記憶にして欲しい。「モノクロの虹」。そして、「君なしで」。一番、間奏までを歌い切る小野さんの歌声は、今までの公演のなかで一番、なんだろう、整った美しさがあったように思いました。そしてまた、小野さんのTシャツを着て現れる岩田さん。と、もうくしゃくしゃになっていく小野さん……。岩田さんが後に、各人の曲に出て行く時のことを“鈴村さんで上に振り切れて森久保さんで下に振り切れて小野さんの時におれがしっかりしなきゃってスゥ…ってなった”と笑っていましたが、小野さん、小野さん本当にくしゃくしゃだった。岩田さんもつられてうたえない、ふたりともにうたえなくなってしまうシーンがあって、くしゃくしゃだった。「岩田光央に大きな拍手を!」「小野大輔に大きな拍手を!」と言い合う彼らが、切なくて、ステージを去る岩田さんの背中にじゃれつくように、愛しげに手をかけつつ捌ける小野さんが、本当に末っ子のようでした。
岩田さんはもう絶対、笑顔、で終わるものだと信じていました。ので、「グラスホッパー」からの「ジェミニ」「スーパーチャージ」であとはこれが来るしかないと思っていた、「ウェイクアップベイベェウェイクアップ」にテンションが振り切れました。ラストの曲、は、まさかの「かわいいおしり」再び! 「関係者席も後ろのスタッフもみんなお尻を振れよー!!!」と叫ぶ岩田さん、と、岩田さんTシャツを着て飛び出してくるホスト三人+チームD! 神戸を思い出して、でもみんな笑顔で、笑顔で、全力だった。鈴村さんと森久保さんが岩田さんを右と左から挟むように抱きしめに行ったので、小野さんはおろおろして背中から抱きついていました。笑。

アンコール、「Galaxy Bus」。昨日もそうだったのだけれど、下手側階段からかけあがってくるはずの岩田さんと小野さんがイントロ始まっても全然ステージに上がってこなくて、鈴村さん森久保さんから数拍遅れてとびだしてくるふたりが一体、何をしていたのかが気になってなりませんでした。バンド紹介。メッセージビデオ、平川大輔さん。そして、密やかに敢行されていた岩田さん等身大パネル寄せ書きの公開。これ四枚あって、私と友人たちが神戸二日目で書いたものが下手側から二枚目にあったので、もしかしたら一枚ずつ全公演で実行されていたのかしら、と思いましたが定かではありません……。物販購入後、はけ口の端っこで静かに行われていたものなので、多分知らない人もいたのかなと思うそれは、ネット上での拡散禁止の声掛けの成果かそれまでほんとうに存在を外で見なくて、たった二週間だったというのにしばらくぶりに再会したような気持ちで、なんだかやけに感慨深かったです。
鈴村さんから、いや、「僕たちから岩田さんにお願いがあります」。「『眠るものたちへ』をおれパラに下さい」。
ああ、この件きちんとやるんだ、と思いました。正直、なあなあに引っ張って行ってしまってもいいものだと思っていたりもしたのですが、ここをはっきりさせて、岩田さんの歌をおれパラの歌として歌い継いで行く決意=岩田さんがいない来年からのおれパラを見据える、というそこがはっきり打ち出されたように思います。皆でレコーディングした時点でとっくに皆のものになっていたよ、という岩田さん。岩田さんの素ボケにツッコミを入れていた鈴村さんが素ボケを重ねてしまって、「十年も一緒にいるとこういう風になるんですよ」と言っていたのが、私は正直別の意味で、ああ、そういうものなのか、ほんとうに? とか、少し考えてしまいました。十年。十年必要ですか。
「眠るものたちへ」。ステージ中央でCメロを歌う四人が、岩田さんの肩に腕を回す鈴村さんと森久保さんがいて、そこにまたあとから、怖々伸びる小野さんの腕が、まっすぐなひかりの下ですごく輝いていて、ずっとずっとこのままでいればいいのに、と思いました。コールアンドレスポンス、仕切ろうとした小野さんを遮って、両国最終日は岩田さんの采配でスタート。
終わらないで欲しくて、ひたすら、ひたすら繰り返していたコールアンドレスポンスののち。
挨拶をし終えた彼らはいつものようにステージ上段中央に集まりながらも、各々のTシャツを脱いでは岩田さんの肩に掛けて行きました。岩田さん一回落としちゃってぎゅうぎゅう襟元に押し込んで。そして、最後の挨拶。これ丁度彼らが拳を付き合わせて、円陣を組むようにして何かを誓い合うような所作を見せたタイミングで、BGMで流れていたインストのギャラクシーバスがCメロ終わりwow wow wow...... の部分に辿り着いたんですよね。会場から自然発生的に歌声が響いて、歌声の終わりとともに彼らの拳が離れて、客席から盛大な拍手が、ばあっと巻き起こったのが、とても印象的でした。
ハグして、ハグした彼らは、最後の最後まで客席に手を振って、岩田さんは、ラスト、「これからもおれパラをよろしく御願します!」と叫んで。そして、上手下手の階段に二手に分かれるいつもの去り方ではなくて、上手の階段に一列になって、ゆっくりとゆっくりと、ステージから引いて行きました。

もう拍手がなりやまなかった。客電が一斉について、終了のアナウンスが流れて。「Galaxy Bus」のオルゴール編曲が流れ始めて、でも、拍手が全く鳴り止まなかった。アナウンスが終わった瞬間、みっちゃん、みっちゃん、ありがとう、ありがとう、と客席から声が飛んで、大きな合唱のようになって。それで、それが一段落したタイミングだったかな、確かその辺りが、そのオルゴール編曲された「Galaxy Bus」が、二番に入ったタイミング、位だった。拍手が徐々に小さくなって、そのかわりに、響き出したのは客席に残った観客たち、全ての、ロビーに繋がる扉が開放されてステージ裏のスタッフたちが片付けを初めても、動けなかった、観客たちによる「Galaxy Bus」の大合唱でした。歌詞がわからなくても、代わりにクラップがあった。退席を促そうとしていたスタッフたちが立ち止まって、する、と端に避けて行ってくれたのを見ました。徐々に大きくなる歌声とクラップ。Cメロ、「つなぐ、ひかり、つねに、てらす、ここに集う星たちよ」で会場が一体になって、間奏が入るとまたありがとうと声が飛んで。そして、これも奇跡的だなと思うんですがオルゴール編曲の「Galaxy Bus」は編曲されていても元のメロディそのままだったんですよね。歌い出した全員が、さいごまで、さいごのさいごまで歌い切って、そして、また盛大な拍手と、ありがとう、の歓声が飛んで。そして、改めての終了アナウンスが流れました。ぱっ、と見渡した客席の皆が泣いていたり放心していたりしていて、でも、ひどく晴れやかな顔をしていた。私も、一緒に退場する友人に「なんか晴れやかな顔してる」って言われて、もう頬が涙でぐっしゃぐっしゃびっちょびっちょだったんですが、でも不思議と、すとんと、心から「たのしかった」「良いイベントだった」と思えていました。
正直、神戸の初日が始まった時点では、どうなるんだろうか、いつものようなおれパラ、笑顔で帰るおれパラで終わることができるんだろうか、と思っていました。
でも杞憂だった。
それは多分、岩田さんが作り上げた、ホスト四人が作り上げた、スタッフたちが手を尽くして、観客たちが心から愛した、オリジナルエンターテイメントパラダイス、というあのイベントの、第一部の、最高の幕引きだったのだと、思います。

森久保さんが「眠るものたちへ」の最後に歌った、「俺たち四人を忘れるな」! の掛け声を、今までに聴いたことがないような割れんばかりの声でもって「いつか笑い合うために」と返したあの空間を、もうしばらくじっとかみしめていようと、思っています。