350£

覚え書き

Original Entertainment Paradise 2013 ROCK ON!!!! 両国楽日

両国楽日から数日後に耐えきれなくなって書いた記憶スケッチ。

DVD発売に合わせて公開します。

 

***

 

私神戸が始まる前、岩田さんの曲をそれぞれのパートで歌う、っていうのは一回につき一曲ずつ選んで3人が計四曲ずつ歌う、っていうことをイメージしていたんですね。が。今、改めて思うと、鈴村さんが「フルーツマン」森久保さんが「show must go on」小野さんが「君なしで」をひたすら、ひたすら歌い続けてきたこと、mcでなんどもなんども同じ言葉を繰り返してきたことが、こんなにも重い意味を持つようになるとは思いませんでした。
トップバッター鈴村さん。友人たちと多分「しっとり」で来るだろうと予想していたのですが、まさかそこまでガッツリ振り切れてくるとは思わなかったので、もう、鈴村さんが曲名を口にした瞬間涙腺が決壊しました。「ロスト」、そして「新しい音色」。「新しい音色」は昨年の「月とストーブ」の系譜、でも今年はオレンジではなく、蒼い海でした。サイリウムを振る手がとまった世界で、おもいきり、おもいきり岩田さんへの思いをストレートにぶつけた、あとの、「フルーツマン」。真っ赤な会場、間奏、飛び出してくる鈴村T姿の……岩田光央! もう、もうふたりが楽しそうで、楽しそうで楽しそうで泣いてしまった。卑怯だ、反則だ、って凄く思って見ていた。いまのあんたがちょうどいい、と歌いながら岩田さんを指差す鈴村さんの、こころから楽しそうな笑顔。
森久保さん。私森久保さんがこんなに、こんなにしっとりとした、世間一般の想像するロックとは多少違う立ち位置にあるような楽曲をがっつり、うたう、姿を初めて見たような気がして、思えばこの四公演で、常に新しいものをどかんどかんと発奮してくれていたのが森久保さんのようにも思います。「岩田さんがやめるって聴いた時、おれパラは終わるんだなって思った。……バンドのようなもんだと思ってたからさ」。「でもスズが」、思いをつないでいくべきだと言った。だから、おれたちはおれパラを終わらせない。これからも続けていく。「show must go on」、森久保さんと、また途中で森久保さんのTシャツを着て現れた岩田さんは、途中何度も何度も歌えなくなって、歌えなくなって、森久保さんが優しく笑いかけながら、握手をして、肩を組んで、抱き合って、そうして、お互いを尊重し合うような重みでもって、ステージの真ん中に寄り添うようにして、表現をしていたように思います。
小野さんはキスキスキスから、まさかのダンスメドレーでした。ち、チームD紹介がどんどん進化して行っていて、今日はちゃんと音楽つけてもらっていた。笑。「熱烈ANSWER」か、ら、の、まさかの「叱咤純愛1,chu,3!!」! すごかった……か、かわいくてかわいくて楽しくて楽しくて、ここでまさかこの曲を初披露してくれるとは思っていなくて。身振り手振りを会場がすぐさま吸収して踊っていくのが、たまらなく楽しかった。黄色いサイリウム。昨日、コートを着るくだりをやらなかったのは「うっかり忘れちゃって」たからで会場「えええええええ!!!!」 笑。人には瞬間記憶と短期記憶と長期記憶がある。このおれパラというイベント、今日この日を、皆の、長期記憶にして欲しい。「モノクロの虹」。そして、「君なしで」。一番、間奏までを歌い切る小野さんの歌声は、今までの公演のなかで一番、なんだろう、整った美しさがあったように思いました。そしてまた、小野さんのTシャツを着て現れる岩田さん。と、もうくしゃくしゃになっていく小野さん……。岩田さんが後に、各人の曲に出て行く時のことを“鈴村さんで上に振り切れて森久保さんで下に振り切れて小野さんの時におれがしっかりしなきゃってスゥ…ってなった”と笑っていましたが、小野さん、小野さん本当にくしゃくしゃだった。岩田さんもつられてうたえない、ふたりともにうたえなくなってしまうシーンがあって、くしゃくしゃだった。「岩田光央に大きな拍手を!」「小野大輔に大きな拍手を!」と言い合う彼らが、切なくて、ステージを去る岩田さんの背中にじゃれつくように、愛しげに手をかけつつ捌ける小野さんが、本当に末っ子のようでした。
岩田さんはもう絶対、笑顔、で終わるものだと信じていました。ので、「グラスホッパー」からの「ジェミニ」「スーパーチャージ」であとはこれが来るしかないと思っていた、「ウェイクアップベイベェウェイクアップ」にテンションが振り切れました。ラストの曲、は、まさかの「かわいいおしり」再び! 「関係者席も後ろのスタッフもみんなお尻を振れよー!!!」と叫ぶ岩田さん、と、岩田さんTシャツを着て飛び出してくるホスト三人+チームD! 神戸を思い出して、でもみんな笑顔で、笑顔で、全力だった。鈴村さんと森久保さんが岩田さんを右と左から挟むように抱きしめに行ったので、小野さんはおろおろして背中から抱きついていました。笑。

アンコール、「Galaxy Bus」。昨日もそうだったのだけれど、下手側階段からかけあがってくるはずの岩田さんと小野さんがイントロ始まっても全然ステージに上がってこなくて、鈴村さん森久保さんから数拍遅れてとびだしてくるふたりが一体、何をしていたのかが気になってなりませんでした。バンド紹介。メッセージビデオ、平川大輔さん。そして、密やかに敢行されていた岩田さん等身大パネル寄せ書きの公開。これ四枚あって、私と友人たちが神戸二日目で書いたものが下手側から二枚目にあったので、もしかしたら一枚ずつ全公演で実行されていたのかしら、と思いましたが定かではありません……。物販購入後、はけ口の端っこで静かに行われていたものなので、多分知らない人もいたのかなと思うそれは、ネット上での拡散禁止の声掛けの成果かそれまでほんとうに存在を外で見なくて、たった二週間だったというのにしばらくぶりに再会したような気持ちで、なんだかやけに感慨深かったです。
鈴村さんから、いや、「僕たちから岩田さんにお願いがあります」。「『眠るものたちへ』をおれパラに下さい」。
ああ、この件きちんとやるんだ、と思いました。正直、なあなあに引っ張って行ってしまってもいいものだと思っていたりもしたのですが、ここをはっきりさせて、岩田さんの歌をおれパラの歌として歌い継いで行く決意=岩田さんがいない来年からのおれパラを見据える、というそこがはっきり打ち出されたように思います。皆でレコーディングした時点でとっくに皆のものになっていたよ、という岩田さん。岩田さんの素ボケにツッコミを入れていた鈴村さんが素ボケを重ねてしまって、「十年も一緒にいるとこういう風になるんですよ」と言っていたのが、私は正直別の意味で、ああ、そういうものなのか、ほんとうに? とか、少し考えてしまいました。十年。十年必要ですか。
「眠るものたちへ」。ステージ中央でCメロを歌う四人が、岩田さんの肩に腕を回す鈴村さんと森久保さんがいて、そこにまたあとから、怖々伸びる小野さんの腕が、まっすぐなひかりの下ですごく輝いていて、ずっとずっとこのままでいればいいのに、と思いました。コールアンドレスポンス、仕切ろうとした小野さんを遮って、両国最終日は岩田さんの采配でスタート。
終わらないで欲しくて、ひたすら、ひたすら繰り返していたコールアンドレスポンスののち。
挨拶をし終えた彼らはいつものようにステージ上段中央に集まりながらも、各々のTシャツを脱いでは岩田さんの肩に掛けて行きました。岩田さん一回落としちゃってぎゅうぎゅう襟元に押し込んで。そして、最後の挨拶。これ丁度彼らが拳を付き合わせて、円陣を組むようにして何かを誓い合うような所作を見せたタイミングで、BGMで流れていたインストのギャラクシーバスがCメロ終わりwow wow wow...... の部分に辿り着いたんですよね。会場から自然発生的に歌声が響いて、歌声の終わりとともに彼らの拳が離れて、客席から盛大な拍手が、ばあっと巻き起こったのが、とても印象的でした。
ハグして、ハグした彼らは、最後の最後まで客席に手を振って、岩田さんは、ラスト、「これからもおれパラをよろしく御願します!」と叫んで。そして、上手下手の階段に二手に分かれるいつもの去り方ではなくて、上手の階段に一列になって、ゆっくりとゆっくりと、ステージから引いて行きました。

もう拍手がなりやまなかった。客電が一斉について、終了のアナウンスが流れて。「Galaxy Bus」のオルゴール編曲が流れ始めて、でも、拍手が全く鳴り止まなかった。アナウンスが終わった瞬間、みっちゃん、みっちゃん、ありがとう、ありがとう、と客席から声が飛んで、大きな合唱のようになって。それで、それが一段落したタイミングだったかな、確かその辺りが、そのオルゴール編曲された「Galaxy Bus」が、二番に入ったタイミング、位だった。拍手が徐々に小さくなって、そのかわりに、響き出したのは客席に残った観客たち、全ての、ロビーに繋がる扉が開放されてステージ裏のスタッフたちが片付けを初めても、動けなかった、観客たちによる「Galaxy Bus」の大合唱でした。歌詞がわからなくても、代わりにクラップがあった。退席を促そうとしていたスタッフたちが立ち止まって、する、と端に避けて行ってくれたのを見ました。徐々に大きくなる歌声とクラップ。Cメロ、「つなぐ、ひかり、つねに、てらす、ここに集う星たちよ」で会場が一体になって、間奏が入るとまたありがとうと声が飛んで。そして、これも奇跡的だなと思うんですがオルゴール編曲の「Galaxy Bus」は編曲されていても元のメロディそのままだったんですよね。歌い出した全員が、さいごまで、さいごのさいごまで歌い切って、そして、また盛大な拍手と、ありがとう、の歓声が飛んで。そして、改めての終了アナウンスが流れました。ぱっ、と見渡した客席の皆が泣いていたり放心していたりしていて、でも、ひどく晴れやかな顔をしていた。私も、一緒に退場する友人に「なんか晴れやかな顔してる」って言われて、もう頬が涙でぐっしゃぐっしゃびっちょびっちょだったんですが、でも不思議と、すとんと、心から「たのしかった」「良いイベントだった」と思えていました。
正直、神戸の初日が始まった時点では、どうなるんだろうか、いつものようなおれパラ、笑顔で帰るおれパラで終わることができるんだろうか、と思っていました。
でも杞憂だった。
それは多分、岩田さんが作り上げた、ホスト四人が作り上げた、スタッフたちが手を尽くして、観客たちが心から愛した、オリジナルエンターテイメントパラダイス、というあのイベントの、第一部の、最高の幕引きだったのだと、思います。

森久保さんが「眠るものたちへ」の最後に歌った、「俺たち四人を忘れるな」! の掛け声を、今までに聴いたことがないような割れんばかりの声でもって「いつか笑い合うために」と返したあの空間を、もうしばらくじっとかみしめていようと、思っています。

Original Entertainment Paradise 2013 ROCK ON!!!! 両国初日

両国楽日の午前中に書けるだけ書いた記憶スケッチ。

DVD発売にあわせて公開します。

 

***

 

おれぱらっぷ、森久保さんからあしをぐるぐるまわしてきた鈴村さんからの四国の星小野さん、岩田さん。小野さんの、小野さんのラップが、チェーンリアクションクロニクル、スーパーチャージでだいすきになってて、こ、神戸のアンコールを受けてる…! ともうそこで最初からクライマックス。あと寺島さんのラップの「やられたー!」って言ってた最後の7拍使うやつやってましたね。さ、最初からクライマックス。ロックオン!
一番風呂森久保さん。CDとライブDVDの話、いま、わーって言ってまだ買ってないヤツは外の物販で。笑。神戸からつないできたもの。ショウマストゴーオン。私森久保さんが終わった辺りで、なんだか今日のおれパラは、神戸であった悲壮感のようなものがみえない、なと、思っていました。会場もばっと盛り上がって、いや神戸が盛り上がってなかった訳ではなく、なんだろう……い、いつものおれパラ? って私去年の両国二日間しか参加してないんですけれども、でもひたすらひたすら去年のおれパラ以降見返して見返してきた過去のDVDを見ていて、なんだろう、でもやっぱり、いつものおれパラであることをすごく意識しているような気がして。
二番手、小野さん。キスキスキス。暗転の間に上着脱いでた。チームD、ユカさんのかわりに、トモさん。彼女はあのミカさんがパイナップルの踊り食い 笑 させてくる隣に座っていた子で、ユカさんの後輩だということ。バンドメンバーのダンスも全員触れてて、小野さん一回目のMCはメンバー紹介でした。笑。からの、記憶をテーマにした楽曲。「真夏のスピカ」! 蒼く染まる会場! あ、圧巻だった。本当に一面蒼い海で、でもどれかというと、なんだろう夏の都心の夜、あのPVを思い出したんだけれど、漆黒に染まらない夏の夜空みたいで、美しかった。小野さんも全力で跳ね回って、駆け回って、でもまた、終わらない、「キンモクセイ」! 私今回二階席のうしろの方だったんですけれども、すご、かった、一面の蒼が、風が流れるみたいに橙色に変わっていくの。去年の「月とストーブ」の時以来のオレンジの海だったのだけれど、小野さんが手を横に振る所作を促したので客席のサイリウムが大きく大きく横に振られて、花が満開のキンモクセイの樹が風に揺れるようでもあって、秋、ひろいひろい畑で黄金色に染まった麦が風に揺れるみたいでもあった。綺麗だった……。あと小野さんが、あのキスキスキスの衣装でこの二曲を歌っているのが、すごく不思議だった。小野大輔という人の六年を鑑みたりしました。MC。最近のサイリウムはすごいね?オレンジもあるんだね?と小野さん。赤と青は、正直予想してた、でもオレンジもあるんだね、と。笑。からの、「神戸から岩田さんの楽曲を歌ってきた」。コートは今回羽織られませんでした。記憶をテーマにした曲が多い。歌っていると、テーマの問題だけでなく様々なことを思い出す。思い出しながら、僕の音楽活動の原点を振り返ってみたんです、そうしたらね、僕の原点は、「岩田光央」。
「君なしで」「モノクロの虹」。神戸の、自分の感情に振り切れた歌とまたちがう、完成度の高い、歌声だったように思います。それからモノクロの虹まで、わりとステージ前方の照明がオーロラみたいに薄く小野さんを遮る演出が多かったように思うんですけれども。大サビ。ばっ、と客電が上がったのかとおもうくらいにあかるくなったステージの上に、八色の虹が描かれていました。虹の上を飛び回る小野さんが、過去から飛び出していくようで、総天然色の現在、というものの上に立って歌っている姿が、何かの象徴のようで、ただ見つめていました。
みっちゃんのおもしろ映像集 笑、神戸でも上海の映像あったなっておもいだしました。でもあのベッキーちゃんは追加、ですよね? じゃなかったっけ 私が忘れているだけでしょうか……ひどくわらってしまった。笑。間合いがほんと上手い。
鈴村健一! 「会場全体で一つになろうぜ」! からのクラップ! クラップがおおきく、おおきく、ひたすら膨らむまで、会場全体をみまもってからの、「あいうえおんがく」。鈴村さんすごいなって、本当に凄いなとどよめきが起きていましたが、まさかの、三曲立て続け。からMC、で、「フルーツマン」から「ハナサカ」でEND! え、MC一回ってまさかそんなという、後ろから「鈴村さんていくつだっけ」「39、39!」ってどよどよしている方々の声が聞こえてきて凄く面白かった。笑。鈴村さんが明言されていました。「岩田さんが卒業という特別なおれパラのなかで、いつものおれパラを」しよう。する。MCでフルーツマンの話が出た直後から会場が徐々に赤に変わっていったので、ラスト、曲に入る直前鈴村さんが「赤いサイリウムの準備もできたようだし」って笑いながら言っていました。
岩田さん前に始まるみっちゃんコール。「ハナサカ」で桃色だった会場がまた赤に戻って、岩田さん、「Just size」! ランティス、そのときはコーエーから、初めて出したアルバムで、シングルカットされてはじめて出した曲。を、どうしても、みんな知らないとは思っているけれど、いまここで両国の最初で歌いたかった。から、「トキドキ」「スマイル」。私この二曲ほんとひたすらひたすらこの半年聴いていて、もう、しゃがみこんで聴いていました。もうなにも、過分な演出は要らないとばかりに、照明もただみっちゃんだけを照らし出して、一色、ステージ中央だけをいっしんに照らし出していて、その飾らなさが「岩田光央」という役者なのだろうと。そこに、すくわれてきたひとはきっととても多いのだと思います。 MC。で、「俺この間秋葉原を歩いていたんだけど」、そしたら、正面から来た眼鏡のぱりっとしたスーツの男性が、ぎょっとしためで俺を見て、ばーっと駆け寄ってきた。「岩田さんですよね?」「そうですけど」「おれ、おれ、おれ……!」→もすくんだった。会場「ええええええええ!」笑。わたしそこでどばーっと泣いてしまったんですけれども。笑。もすくん抜かれるし、もすTじゃなくてみっちゃんのTシャツ着てるし。笑。「ごめんな、言っちゃった! だってうれしかったんだもんよ! お前上司といただろあんとき!」ここにいる皆に日常がある。バイト頑張ってるやつ、主婦頑張ってるひと、契約社員で頑張ってるひと、正社員で頑張ってるひと、みんなそれぞれの日常があって、でもいま、ここでひとつになってる。この思いは、ちゃんとおれパラにホストたちに置いて行く。
ホストたちの歌を歌う。今日は鈴村健一。「Analog fighter」。引退する、という話を決めたとき、鈴村さんからメールが来た。そのあとまた森久保さんからもメールが来た。「岩田さん、飲みませんか」。鈴村さんとはときどきそうやって飲むことがあって、飲みにいった。「どういう気持ちでいるのかが知りたかったんです」「実は、あの曲は岩田さんのことを書いた歌なんです」。わたしここでどういう会話があって鈴村さんがそれを告げるに至ったのかを想像すると泣いてしまうんですけれども。岩田さんは、だから、ここで鈴村さんの曲は「Analog fighter」と決めた。難しい、途中やっぱり最初に思った「月とストーブ」にしようかなっておもったんだけど、でも。
「Analog fighter」は、どうやらほんとうに、ほんとうに歌いにくそうで、岩田さんはすごく必死に、必死に曲を歌っているように見えました。赤、青、白のサイリウム。もう、だからわたしひたすら岩田さんしか、見てなかった。からすごく不意打ちでした。岩田さんの歌声にふいにオーバーラップする、……鈴村さんの歌声!
岩田さんのTシャツを着て、歌いながらステージに現れた鈴村さんに、岩田さんはおもいきりおどろいて、歌えなくなってしまっていました。今までの流れがあればそれは、鈴村さんがここで登場するという演出は想像に難くなかったのだけれど、でも岩田さんも、会場も、驚いて、息を飲んで、動揺していたのがわかりました。優しく笑みながら、言葉に詰まってしまった岩田さんに笑顔を見せながら、高らかに歌い上げる鈴村さん。間奏、ステージ中央にやってきた鈴村さんに、岩田さんはぎゅっと抱きついていました。私おれパラのなかで、岩田さんが誰かを抱きしめているシーンって数多くあると思うのだけれど、岩田さんが、誰かに、抱きしめられているシーンというのは浮かばなくって。なにかが、いま、鈴村さんに受け継がれて、引き継がれて、手渡されたような感覚がありました。鈴村さんが岩田さんを抱きしめて、大サビに入る直前手を離しながら、「○○○○○」と岩田さんの耳元で呟いて、岩田さんが泣きながらただこっくりと頷いた、のが、もう、その前のもすくんの流れから相まって、サイリウムを振ることもできなかった。私には「ありがとう」と紡いだようにも「歌うよ」と紡いだようにも見えて、でもどちらにせよ、とてもやわい会話だったと思います。岩田さんは、歌い上げる鈴村さんを数小節分じっとじっと見て、そしてまた、こんどはふたり横に並んで、同じ曲を、歌っていました。最後まで歌い切ってまた抱擁しあうふたりが、ステージを去る鈴村さんに「鈴村健一に大きな拍手を!」と声を張る岩田さんが、ずっとずっとやさしく微笑んでいた鈴村さんが、たまらなかった。「スーパーチャージ」。


わーんアンコールまで辿り着けなかった!
カラオケのはなし。四人並んで、歌い上げていたシーン。ひたすらひたすらコールアンドレスポンスを繰り返す小野さん。こえががらがらになりながらもやめない小野さん。茶化すように引き止める森久保さん。ステージ上段での抱擁、小野さんが岩田さんからまた離れなくて、べり、と相撲で上手投げするように剥がされた小野さん、改めて岩田さんと抱擁する鈴村さん。

小野さんは、あんなに、あんなにあんなにひたすら声ががらがらになるまでコールアンドレスポンスしてて、今日、だいじょうぶなんですか!!!

Original Entertainment Paradise 2013 ROCK ON!!!! 神戸楽日

神戸から帰ってきた翌日の記憶スケッチ。

DVD発売に合わせて公開します。初日と同じくらいアバウトです。

 

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一日目に引き続き大変アバウトです。記憶のままに書き殴っています。


おれパラップ、トップバッターは鈴村さん。以降小野さん森久保さん岩田さん。岩田さんの掛け声で、会場一体となって「ロックオン!」の掛け声でスタート。あれこれもしかして登場順? 初日大サビでは小野さんが入りのタイミングを間違ってましたが、二日目は岩田さんがまちがえて両手の人差し指でペコちゃんみたいにおどけていました。かわいい。
コーナートップバッター、引き続き鈴村さん。登場からの流れで歌い切ったあと、初日に入れる隙がなかった掛け声の入れ方指南が入って面白かった……wowwowの部分は音程とかどうでもいいから歌っちゃえ。笑。昨日よりオーライも揃ってた印象。
今年は、岩田さんの曲をみんな歌うと決めていた。俺は、一番好きな曲。歌いたかった曲。「フルーツマン」。フルーツマンのときのサイリウムが素早く一瞬で真っ赤に変わって、岩田さんの曲でもあるし歌詞のゼリービーンズの赤いやつだけ、が会場内にも浸透してる、のがもう空気で判った。mc、鈴村さんもサイリウムについて、ゼリービーンズの赤いやつ。鈴村さんの歌っていつも安定のクオリティで、スタートからの流れも会場が盛り上がって一気にヒートアップする流れだったのだけれど、でもここで改めて、岩田さんへの万感の想い、のようなものがすごく込められているのもわかって、堪らなかった。これが最後だと思って歌っているのだろうかと。岩田さんと鈴村さんはもうずっと二人で歩いている節もあって、そこから、例え数ある仕事のうちのひとつだとしても、岩田さんがいなくなるということ、が、やっぱり鈴村さんに影響を与えない訳もなく。ホストたちの中で一番自身の感情を表に出さない鈴村さんだからこそ、もう、本当に堪らなかった語彙が来い。
二番手小野さん。白基調の衣装で、キスキスキス! チームD! 二日目はそこでmcが入って、ダンス曲は一曲のみでした。そしてなんとユカが今回のおれパラここで離脱! 盛大な拍手を。チームD紹介の時一日目とユカミカの立ち位置が逆で、小野さんうっかり間違って紹介始めようとしちゃって面白かった。綺麗なお姉さん、すき。二曲目、鳥の夢。この曲を作詞した時も、今も、同じことを思っている。小野さんまたぐっときている。
「君なしで」は一日目よりも、何というかもう吐き出せるだけのせられるだけ想いをぶつける、くらいの激しさで、なんなら二日目個人パートの小野さんはもう昨日よりもがっつり泣いていて、サイリウム振る余裕がありませんでした。なぜなら私ももう滝のように…泣いていたからです…は、恥ずかしい。この曲がすごく好きだということ。去年この曲をみんなで歌ったこと。その時に変えた歌詞、「ありがとう」と、リハの時からずっと間違えて歌いそうになってしまっていたこと。だから、「さようなら」には「ありがとう」の気持ちをのせたこと。歌っているとたくさんのことを思い出す。ここで、小野さんは言葉に詰まってしまっていました。
改めて。
自分の楽曲に「ありがとう」と歌う曲がある、それを、岩田さんへの感謝の気持ちを込めて歌います。
去年両国初日に歌った「ありがとう」を、ここで聞くことになるとは思わなくてメーターが振り切れてしまいました。なんなら多分会場が泣いていて、小野さんは会場の観客の顔を視界にいれてまた泣く、というそういうサイクルを辿っているようにも見えて。でも、小野さんはもうこの「ありがとう」で、去年のように歌詞に詰まるような、歌えなくなるようなことはありませんでした。しっかり、しっかりと言葉を紡いで、歌い切った小野さんは、ぎゅっと唇を引き結んで次の瞬間、笑顔を作っていました。「みんな、笑って!」と。続けてラストナンバー、「モノクロの虹」。泣き顔を必死に笑顔に変えて「笑顔だよ!」と叫ぶ小野さんに、私も必死でサイリウムをふっていました。い、いちばん泣いていた男が「泣かないで」「笑顔だよ」は卑怯だ! と思いつつ。笑。もしかしたら小野さんこそ、現状いちばん、前を向けているホストなのかもしれないとぼろぼろしました。いつかの真夏のスピカのように、ステージ上を所狭しと飛び跳ねながら、笑顔で、大きく虹を描く小野さんがたまりませんでした。
合間の映像は今回ドッキリ三連作。「君なしで」を歌うシーンももちろんながれて、逆だったらもっとひどく泣いていたかもしれません…。
三番手森久保さん。私本当に森久保さん登場時の音楽が好きなんですけど……森久保ワールド始まる、という感じで唾を飲む。チェーンリアクション。前のイベントからおれパラができたように、おれパラがまた次へとつながって行くこと。今回の森久保さんは、「前の二人も思い切り感情を込めて歌ったしな」と、ショウマストゴーオンを最後に熱唱されていました。森久保さんの音楽って何か「切ない」とか「悲しい」とかそういう感情を乗せるイメージが私の中に全くなくって、すごく新鮮で、この日のこの曲が森久保さんのライブの中でいちばん、好きだと思いました。物販で森久保さんのセルがほぼ完売していて慄きましたが、合わせて岩田さんのcore(この曲が収録されてる)も完売してて、さもありなん…と。「次はお待ちかね、岩田光央!」と森久保さんが退場して、もうすごく、すごくいい流れだった。
そして、か、ら、の、……岩田光央
わたしここで正直しんどいほどお手洗い行きたかったんです……ええいままよ畜生間に合え、と席を立とうとして、……でも立てなかった。
森久保さんが退場した直後。会場からの「みっちゃん!」コールが、まだ映像アバンさえ流れていないというのに、どこからか湧き上がって、やがて全体が一つになっていました。手拍子。途絶えることのないコール。私はもういろんなものが引っ込んで、終演まで意地でもここにいる、と決めました。割と人間やればなんでもできる……そしてその選択は本当に正しかった。
暗がりの中現れた岩田さんは、ひら、とこちらにむけて手を振っていました。伝わってるとおもった。そこからの、ばっとスポットが点灯して……「グラスホッパー」!
歌い出し前にバンド全員にうなづきかけて、真っ赤に染まった会場と、アッパーなこの曲は本当に良かった。続けて「おねだりジェシカ」。もう音がガンガン響いて歌詞なんてほとんど聞き取れなかったけれど、これがライブで、彼のやりたかったもので、おれパラだ、と身体で判る感じがしました。そしてmc。三人ともすごく思いを込めて歌ってくれた。フルーツマンで会場が真っ赤に染まったのも見てた。小野さんの「ありがとう」では「でも俺あの時チョートイレ行きたくて」『えー!』「行っちゃった」『えええええーーーーーー!!!!!』すごいブーイングだった 笑。でも岩田さん割と、泣き顔を見られたくなかったのかなとか思っちゃった……。ということで「昨日の俺はしっとり」(ここで笑いが起きた)「今日の俺は、……バラエティです!」
他ホストの曲。昨日は森久保さんの楽曲だった。あとはピンピンとスケキヨが残ってる。でも、
「バラエティなのはどっちだ?」おおおおお!「バラエティなのは、どっちだ!?」
『おのでぃーーーー!!!!!』(ここ、おのでぃという返事ものっそい揃ってて笑った)
「『だいすき』!!!」
会場がワッと沸いて、見渡すかぎりサイリウムがピンクに変わっていって、でも岩田さんなので赤もあって、ステージ上段にはなんと再登場、チームD! 前奏とともに階段を下りてくるチームDの四人に私もあわててサイリウムの色を変えていたら、傍ら、一緒に見ていた友人からぱきんと折られたピンク色のサイリウムが差し出されてわらいました。使え、と。自分の分もあるからと。か、完璧すぐるけど閑話休題
いつもなら小野さんがいる場所で、チームDに囲まれて歌う岩田さんがとても楽しそうで、でも誰が楽しかったかと言えばきっと、あの場にいた全員が、きっと、こころから楽しかった。間奏、ベッキーちゃんの代わりに小野さんが出てくることを想像して、いたら、登場したのはバーコードヅラに眼鏡でステテコの謎の男で爆笑。少なくとも小野さんじゃない、としたらもう残るは二人しかいなくて、次に出てきたのが買い物かごから長ネギをはみ出させた「お母さん」前とした女装の誰かなら、犬の着ぐるみパジャマを着た小野さんが現れて、前者二人は鈴村さんと森久保さんなのです。ああこれ、小野さんがなぞらえたおれパラの四人の立ち位置だ、と気付いた。ら、そうか、そういえば岩田さんはおじいちゃんなのでした。なんだか変なところで、心の底から盛り上がりながら、何かが、納得できたようなよく判らない感慨を覚えていました。でもとにかく今は、盛り上がるしかない、楽しむしかないのです。乗るしかないだろ、このビッグウェーブに!
長ネギをサイリウムに見立てて振る森久保さんが妙にツボに入りながら、四人が一列になって「だいすき」を踊るのを見ていました。〆、の瞬間に大歓声。でもまだ、曲が、終わらない!「かわいいおしり」!
「ちょっとまっておまえら、どうせなら一緒にやろうぜ!」
流れで退場しようとする面々へむけた岩田さんの掛け声にまた会場が沸いて、チームDはステージ上に留まり、ホスト三人も慌ててもとのポジションへ戻ってきました。どこまで打ち合わせされていたのかは判らないですが、小野さんはぐるぐるしっぽを振り回していて、あれ、動揺してる? って思ったけれどチームDが全く動揺してないように見えた。笑。みんなで、音楽に合わせておしりをふって、間奏の間に退場していきました。でも会場のボルテージはMAXから依然下がる気配を見せず、曲が終わるまで全力で全力でした。すごかった。「かわいいおしり」って、タイトルとおしりふりでなんとなく見落とされそうなイメージがあるけど、歌詞が、とても、いいですよね。
mc。引退、の決意を決めたのは六月頃だった。だから今回のシングルにはその思いを詰め込んで、「スーパーチャージ」をつくった。ここでだっただろうか、岩田さんがおれパラでやりたいことがあったと言って、全国ツアーの展望の話をしたのは。岩田さんのなかに描かれたおれパラのビジョンが、切なくて、堪えきれなくて、でも聞き届けようと思って、聴いていました。沢山のスタッフが動いてくれている。バックバンドって言い方が本当に嫌いだということ。チケット切ってくれたり、誘導してくれたり、今こうしている間にも様々なスタッフが動いていて、おれたちだけの力じゃない。
そしてラスト、「スーパーチャージ」。みんながおれのスーパーチャージで、おれも、みんなのスーパーチャージになりたい。
私は、個人的なことを言うならことし四月からずっと毎日毎日岩田さんの曲を聴き続けていて、だからこそ年末まで走って来れた節があって、そこは、ちゃんと伝えたいと思って某所にも書いたりしたんだけれど、もうとっくに、岩田さんはみんなのスーパーチャージなのに、と、思っていました。

アンコール、ギャラクシーバス。
イントロが始まって、暗転からライトがほんのりついた、くらいの一瞬。岩田さんと鈴村さんが先に、ステージ上段に続く階段の下手と上手から駆け上がってきて。そして、だん、とステージに飛び込んだ瞬間、くらいの一瞬、本当にその一瞬。ふたりが、マイクを持っていない方の、あいた手をどちらからともなくぎゅっと絡めて、握って、ぱっと振り切ったのを見てしまって、もうそこで放心状態でした。スポットに照らされたふたりは、そしてそれをきっと後ろから見ていただろう小野さんと森久保さんも、もう普段の彼らで。あ、スウィートイグニッション聴こう、と地味な決意を固めました。彼らの絆が、ほんとうに好きです。
mc。「おれたち、自分たちで積み上げてきた今日の感動を、自分たちで(「だいすき」によって)ぶちこわしたよね(と言って小野さん鈴村さん森久保さんがエアジェンガのようなものを蹴り壊すマイム)!」。「でもそれがおれパラなんだよ」。「だいすき」の仮装の説明もここでありました。最初は岩田さんと小野さんのポジションを逆にするだけだった、小野さんが女装して出てくるようなイメージだった(それも見たかった という声が飛んでた 笑)、けど、「好きにやっていいよ」と岩田さんが言ったので、こうなりました、by小野さん。
バンドメンバー紹介。続いて、今回はちゃんとここで呼び込んだチームD(しかしすぐ退場 笑)。寺島さんからのコメントはこの辺だったかしら。いいなあ、いきたいなあ、おれが行ったらでもよくないもんなあ、という寺島さんのコメント。笑。
からの、ホストそれぞれのコメント。
ごめんなさい、ここ、正直に言って覚えてないです。というのも、なんだろう、……もう感極まってしまっていて。笑。小野さんが全て持って行ってしまって、それ他の三人語ることないじゃんみたいな流れになって、各々の曲タイトルと絡めていいこと言って、そしたら逆に小野さんの曲名に絡めていいこと言われて行って、鈴村さんが「キンモクセイ」を「菌も臭え」に近いイントネーションで繋げて、オチ。みたいな。ところは覚えてるんですけれども。最後の岩田さんが、もう、言葉に詰まってしまったところ、涙が、つうと頬を伝っていって、唇を噛み締めて堪えようとしている顔ばかり、いま、思い出します。客席から「なかないでー!」「えがおだよー!」という言葉が飛んで、岩田さんは必死に口角を上げようとして、でも何度も失敗していて。そこばかり覚えています。
「眠るものたちへ」。前日、岩田さんが言葉に詰まってしまったパート、“限られた時を握りしめ、走り抜けどこまでもいこう”。どうするんだろう、と思ったら、もう想像以上の出来事でした。舞台中央で歌い切ろうとする岩田さんの両脇から、鈴村さんと森久保さんが肩を組んで。そこにこわごわ伸ばされた小野さんの手が、またきちんと組み込まれて、組み返されて、四人、肩を組んだまま歌い切っていました。
私、おれパラ史上ほんとうに、いちばん、素敵な、シーンだったんじゃないかと思った……。四人とも凄くいい顔をしていた。し、その、肩を組む一連の流れが、彼ららしすぎてまた涙腺が刺激されてしまった。ううう。
長いコールアンドレスポンスのあと、全員でカーテンコールのように頭を下げて、そしてまた、ステージ上段からホスト四人が下がるとき。もう、全員感極まっていて、ぐずぐずのままぎゅっとハグし合って、ハグし合って。今回もまた最後に岩田さんとハグした小野さんの顔が、正面からカメラで抜かれてもう、あの、くしゃくしゃにした顔、ぎゅっとめをつむって、ひしと岩田さんに抱きついている小野さんの顔も、すごく印象的でした。
客席からずっとずっとホストを呼ぶ声がとまらなくて、みっちゃんと叫ぶ声もやまなくて。
でも、最後に階段を下りると決めた岩田さんは、もう、決してこちらを向きませんでした。

 

 

 

 

Original Entertainment Paradise 2013 ROCK ON!!!! 神戸初日

神戸から帰ってきた翌日の記憶スケッチレポート。

DVD発売に合わせて公開します。

 

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神戸初日。ステージは岩場基調に赤のチェックが差されたロックオンモード。中央に階段、階段奥と階段横にハケ口が。
バッ、と客殿が消えてのオープニング、昨年の映像を編集してのおれパラ2013。順にホストの映像が流れて、みっちゃんのベッキーちゃんが映った瞬間は会場が爆笑でした。普段ゲストが紹介されていた部分は主にアンコール映像で編集されていて、ああ、今回本当にホストだけなんだと、何と無くそこで改めて実感させられて  からの  おれパラップ!
森久保さん、参謀鈴村さん、四国の星小野さん(会場内は録音禁止、胸に刻み込めロックオン  だったかな)、そして岩田さん。ひたすらひたすら、ここでは「今日の日を絶対に忘れずに」「胸に刻み込め」という趣旨の言葉を各々繰り返されていて、それがもうたまらなかったです。なんならもう泣いてた。
トップバッターは小野さん。キスキスキスからスタート。チームDと合わせて黒基調の衣装でした。会場が真っ赤に染まって、みんなもう踊る踊る、最初からクライマックス!  続けてのディライトも素晴らしかった、この時、間奏で小野さんが客席とステージ中央で踊るチームDに背中を向けて階段を登るシーンがあって、その背中がべっくら美しかったです。で、くる、と振り返った、小野さんが真紅の深紅の薔薇を……!!!!!  薔薇を!!!!!  ぎゃあ。唇に咥えたそれは最終的にオチさんの元へ。光栄、のようなマイムをするオチさん。チームDを神戸に連れてくることができましたー!  と嬉しそうな小野さんによるメンバー紹介があって、からの、「でもチームDとはここでお別れ」「えー!」
おれパラバンドがまだ演奏してない!  からのエシディシ。私この曲友人が凄い讃えているイメージで、彼女が今日聴けてよかったなって凄い思ってました(私事)。それから、今までずっと、どうしても歌いたかった曲を歌います、と小野さん。ダンス曲後上着を脱いでいたのだけれど、またオチさんにコートを着せてもらっていたのはここだったかしら。あ、あ、あ、まさか、と思いました。多分みんな思ったのではないかな、と会場の雰囲気を思い出しては感じます。そうして、噛みしめるように小野さんが口にしたその曲の名前は、「君なしで」でした。びっくりするほど、感情の高ぶり、思いの込められすぎて痛いくらいに重い、岩田さんの名曲で、多分皆去年のみっちゃんありがとうを思い出したのではと思いました。だらだら泣いてしまった。mc、歌えて良かった。いい曲。そして最後はモノクロの虹。会場が青に染まっていました。今年のおれパラ、胸に刻み込め、の意味、意図。ステージにいる間中、小野さんはずっと泣いていたように思います。涙を流さずに。しかし時に、こみ上げるものを抑え込みながら。
二番手は森久保さんでした。あ、圧巻だった。ロックトゥーユー。会場がぶわっとピンクに染まって、ヘドバンしてる方がすごい沢山いらっしゃった。おれパラップに流行語を取り入れた(じぇじぇじぇ~!等々  笑)はなし、今でしょ! はなんなら俺の方が先だから。笑。ここにいるみなさんに、本当に、冗談じゃなく支えられている。支えてくれたから、次がある(もうこれがすごい響くもう!)。ツアーやります。買った人、買ってなくても手ェ上げちゃえよ、買った人!笑  サイリウムの色を曲の途中で変えてくれた人がいた、その人たちがきてくれたら多分、もう1箇所くらい(ツアーで回る地域を)増やせんじゃないかな。森久保さんの歌う岩田さんの曲は、ショウマストゴーオン。おれパラより前に、岩田さんに書いた曲。裏表、スイッチの切り替えがなくて、裏でもああいう人なんだということ。彼の幕はずっと上がったままで、そうして次の自分の次のステージへ移ること。
もうじりじり押し上げられていた涙のボルテージが、しかし森久保さん後、まさかの岩田さん珍場面集で引っ込むサプライズ!笑
チッチキチーレモンガス! (みんな若っかい!)、気になりますこけし(涙が出るほど笑った)、あともういっこなんだっけ思い出せないうう、あっあれだ、難解なコールアンドレスポンス!  岩田さんがしゃべればしゃべるほど岩田さんの元に寄ってくるホスト、説明が必要だという顔の鈴村さん、いつまでも理解できないマックスボーイズの傍にポンポン浮かぶクエスチョンマーク、やがて閃いた電球マーク。間合いが本当に絶妙で、とにかく爆笑していました。かーらーのー
鈴村健一
「なんなのあの映像さっき知ったんだけど!」笑。二曲前にスタンバる、二人のパフォーマンスで気持ちを高めてきた、全力で吐き出すつもりでステージ袖へ、やるぞ!と思ったら「鈴村さん、ここで映像挟みます」→アレ。なんなの。全部そこで笑って吐き出しちゃった。すげーーおもしろかった。笑。
鈴村さんが歌う岩田さんの曲は、「フルーツマン」! “いまのあんたがちょうどいい”。岩田さんは、いまの岩田さんにまたちょうどいい場所を探す・創るために卒業するということ。
トリはもちろん岩田さん。岩田さんは逆にみんなの曲をする、今日は、森久保さんの日!  弦が二百本ほどあるギター・箒ともいう・を掻き鳴らしながら歌い出した岩田さん、傍には再び、森久保さんの姿がありました。コラボレーション!  大爆笑。
しかしすごく申し訳ないことに、私は、岩田さんが自分のパートのmcで「俺はここでリタイアするけど」と言ったことに酷く打たれてしまって、いろいろなものがとんでしまいました。というか、正直に言って、全員のmcがすごくすごく岩田光央を惜しむどころかできるならば引き止めたいしこれが夢であって欲しいくらいに見えて。思いが強すぎて、もう、ひたすら、ひたすら受け止めることしかできなかった。この卒業式を、あと三回することで皆前を向けるようになるんだろうかと、初日は祈るように考えていました。
アンコール、ギャラクシーバス。深く、想いのこめられたギャラクシーバス。からのバンド紹介。バンド紹介からの、ホスト挨拶(ここも小野さんがないていた気がするのだけれど小野さん本当に気づけば泣いていてもらい泣きしてしまっていたのでもはや覚えていない口惜しい……)。そして、ホスト挨拶が終わるか終わらないかのタイミングで、突然の映像割り込みが飛び込んできました。(ここはちょっとタイミング失敗したのかななんて思ったのは秘密だ)  オルドコデックス!  
岩田さんという人について。おれパラについて。ひとりのときからずっと声をかけてくれていたこと、オルドコデックスとしても出て欲しいと言われて嬉しかったこと。
映像が終わって、もう、みんな感極まっているように感じました。神戸初日。初日だけれど、今年のおれパラもまた一日一日が特別で、最初で最後の、尊い日。「眠るものたちへ」。もう歌詞が刺さりすぎて刺さりすぎて。普段ゲストが歌っていた部分、「限られた時を握りしめ、走り抜けどこまでも行こう」は岩田さんに振られて、……でも岩田さんはもうここで、半分も歌えなくなって、ぐるりと客席に背中を向けていました。こみ上げるものがあったのは明白で、ステージ中央階段の前でこちらに背を向けてしまった岩田さんに、しかしホストの三人は声をかけることは決してせずに、彼の背中を守るように、自然ステージ中央に集まってきていたのが、ひどく印象的でした。
コールアンドレスポンス!  再びホスト全員が客席に向き直っての、長いコールアンドレスポンスでした。初日からこれだけやるのか、という長さの  笑。楽しかった。明日のことは考えるなよ! と初日で叫ばれて、いやいやあしたありますよありますけどでもやりますよやってやりますよと思う客席。全力投球。
エンディング。全員での挨拶で、バンド紹介時に紹介できなかったチームDを呼んで、一列に。そしてホスト四人で、いつもの、いつものハグ。
小野さんが、岩田さんにハグしたまま顔をあげなくなってしまって、もう、またそこで私はぼろぼろでした。初日だというのに、全員がずっと終わりを意識していて、すごく、ぐっときすぎてもう何も言えなかった。ただ、こんなにも失いたくないステージ、イベントを創り上げてくれて魅せてくれて観せてくれてありがとうと、そんな、神戸の初日でありました。

これからが彼女たちのはじまり

第一話。カメラマンの視点から。春香ちゃん、であってるかな、彼女が家を出るところから。主要人物たちに自己紹介(=他者に意識を向けているとき)をさせて、かつカメラで自然体(=向けていないとき)の時分も撮影していくことで、自然に第三者こと視聴者にキャラクターを見せていく。カメラマンの種明かし、実は新人のプロデューサーであった、という部分で顔を見せたことに驚いた。そうか、アニメですものね。没個性的なディティールをしていて、全世界のプロデューサーさんたちを思った。眼鏡。

りっちゃんかわいいよりっちゃん。

 

久しぶりにアニメを気負わずに見たら楽しくて仕方がないなあ。

おおかみこどもの雨と雪

公開当日に書いたものが出てきたのでサルベージ。私的な感想。
 
 
 「おおかみこどもの雨と雪」を観て参りました。六本木の舞台挨拶とれなかったので新宿のいつものとこで、初回と舞台挨拶と観て参りました。
好きな作品の満を持しての映画化時にもハンカチがしぼれるくらい(比喩表現でなくほんとにしぼったらアレなくらいぐしょぐしょにした)三時間泣いてたことがあるんですが、アニメスタイルのイベントに引き続き今回も同席してくれた友人曰く「開始五分くらいから二時間ずっと泣いてたね」という号泣具合でした。ED終わっても立てなくて、よろよろ泣きながら出てきて、トイレ行って、トイレで泣いてて、何の為にトイレ行ったか判らなかった。幸せだった。私が幸せだった。
ストーリーラインが明確になる前に泣いていたのは、もう、絵が動いて、喋って、音がついて、それが細田守の原作で脚本で演出によるものであり、画角もタイミングもTHE・細田守である、っていうことによるので、最初っから泣かせにかかってるとかそういう訳ではありません。私が勝手に泣いてただけです。むしろ細田監督の作品は、泣かせにかかってきてる訳ではなくて、観客の原体験を喚起させることによって涙を押し出すみたいな泣かせ方をしてくる気がします。そして色彩設定あれは反則だ。
「時かけ」「サマウォ」的な引き出しではなくて、むしろ彼がずっと憧れてきた「邦画」をアニメーションで表現しました的な、娯楽大作としてのアニメ映画ではなくてアニメーションで描かれた映画としてのアニメ映画っていう、未だかつてなかったんじゃなかろうかという枠組みの作品であったと感じました。どちらかというと「時かけ」の引き出しだろうけれどもアレもアニメ的な表現は多くて、じゃあそこまでだったらアニメーションである必然性はなかったんじゃないのといわれたらそれは勿論、ある、作品。だってそもそもおおかみこどもだもの。みたいな。「どれみと魔女をやめた魔女」的な、未来さんとどれみのような明確な二極化に近い気がする。
断定的に語るってことが怖いのですが(これはこうです、って言えるのは一次関係者だけですよね)、これはアニメじゃなくてはいけなくて、でも一般的な「アニメ映画」を観に行ったらそれは、「??」ってなってしまうんだろうなという、細田守の映画でした。何度でも言う、私はしあわせでした。直前にプチドーナツ三個入り買ったのに、予告長いわーなんでずっとエヴァのターンそりゃエヴァ公開近いからでしょもぐもぐ、洋画の予告も長いわーあっ桐島部活やめるってよ?、みたいな感じで一個目を食べきったところで本編が始まった結果、ドーナツをつまもうとしてた手はハンカチ握ってしまったので、残りのドーナツ一切手つかず、みたいなことになりました。胸がいっぱいだった。最初から最後まで間延びのしようがないつくりのくせ台詞は極端に少なく(これは舞台挨拶でも言及してた)、つまり、すごく情報量が多いけれどそれをどこまで読むかの深度は観客各々が各々の具合で選んでみていていい、構造をしてたとおもうのです。だからすごく幸せに世界に沈めたせいもあると思う。しあわせでした。
 
「ウォーゲーム」「サマーウォーズ」はちょっと横に置いておいて、細田演出っていったらやっぱり「選択の物語」だよねと思うのですが、今回の「おおかみ~」の選択は二つの道が提示されていて選択者もふたり用意されていたので、それぞれの道をそれぞれが選ぶことによってどちらの道を選んだ場合も、きちんと別個に描かれていまし、た。(ちょっとこわい)
でもって、ふたりの「その後」は描かれないわけです。「この道を選んだ、この道を歩いて行く」っていう決意に近い場面までで物語は終わっている、それはこれが選択肢を提示する側である「花」の物語であるから。交差点から見える景色は各々のちょっと先までが限界で、そこから先は選択したものにしか見えない。
で、その先をちょっと考えたりしたわけです。雨の選択に対して、「えっ山へ行ってもちょいちょい戻ってくればいいんじゃないの?何で今生の別れみたいな感じになっちゃうの?」とか、雪の選択に対して「雪が人間として生きると言っても、結局産んだ子どもはまたおおかみこどもなんじゃないの?」とか、そう考える事はできるのですが、そうではないんじゃないのかな、と思ったので。これは私の思ったことであり一つの考察です。
「何かを選んだら、もう戻る事はできない」っていうのはおとぎ話の上でのセオリーであり、そしてこれが「おとぎ話と思われるかもしれない」物語である上、雨も雪も、もう「選択」した以上「狼」と「人間」から揺らぐことは許されなくなっているのだと思います。狼を選んだ雨は人間にはなれない、人間を選んだ雪は狼にはなれない。狼を選ぶ上での救済は「おかあさんは狼の味方だから」であり、人間を選ぶ上での救済は「ずっと知ってた。誰にも言わなかった」によって達成されているので、ふたりはその経験によってその道を肯定されて、生きていく。
ふたりの父親である「彼」があの末路を辿るしかなかったのは、彼が人として街に生きながら狼として狩りを行うことをやめられなかった、人間に憧れながら本能を捨てきれなかった故なんだろうと思います。そして野生で生きられなかった狼もまた、「あのひと寂しそうに見えた」。自然と人間は共存できないってすーごく「もののけ姫」あたりのことを思い出すんですが、でも花はあの選択肢のT字路たる家でずっと生きて行くことが示唆されているので、そう乱暴でもないなと。共存ではなく共生、共に在るのでなく共に生きる物語なのかなと思います。狼として、人間として、別の世界で、共に生きる。
 
花の笑顔、真琴の笑顔、未来さんの笑顔、私的には21話初登場時のヒカリの笑顔も全部ひっくるめて(あとは嵐の学校、肯定された直後の雪の笑顔も入れたい)、「思い出があるから大丈夫。生きていく。」っていう女性の表情を描かせたら細田守の右に出るものはいないよなというのが、あれは彼の理想の女性なんだろうなとも思うのですが、素晴らしいです よ ねー。笑。
散々話をする上でウォゲとサマウォは棚上げしてたのですが帰宅途中改めて考えてみました。「ウォーゲーム」はおとこっこたちの物語なのでやっぱり置いとくとして(ヒカリちゃんが思い出に生きる女だったのは21話までであると仮定 コロモンはコロモンでしょ?)、「サマーウォーズ」のなかにそういうヒロインを捜したところ。最終的に、栄おばあちゃんに帰着しました。
 
あのナレーション、「雪」はどのタイミングの「雪」なのかということをもくもく考えています。「おおかみこどもの雨と雪」で描かれた時代がもはや「おとぎ話」になってしまった「雪」は、もしかしたらもう母親になっているのかもしれない。